格安SIM

総務省の方針が決定!携帯電話各社に速度差別を禁じる?

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ついこの前の話ですが、総務省が格安SIMの速度低速化問題にメスを入れてきました。ですが、やはり監督省庁とは思えない、何か方向性の違う方針を打ち出してきたようです。その方針が「速度差別の禁止」です。

■速度差別とは?

携帯電話会社から格安SIM事業者へ携帯電話回線を借用する時に、格安SIM利用者からの通信は専用のアクセスポイントを通って、携帯電話会社が用意している回線網に入る仕組みになっています。格安SIM事業者は、ここの帯域をどのくらい持たせるかで借用する際のコストが変わってくるようです。

POIの帯域を広くすることで、データの渋滞が発生しにくくなります。そうなれば、快適にデータ通信が利用できるようになりますが、この帯域が狭いと格安SIM事業者が抱えているような速度低下問題が発生してしまうのです。

今回、総務省はここを「差別」と表現して、これを禁じるというのです。となれば携帯電話会社で契約して高い月額使用料を支払って使うより、格安SIMを契約してもデータ通信速度は携帯電話会社とほぼ同じだったら、誰もが格安SIMを契約してしまうでしょう。

でも、本当にそれで良いのでしょうか。

■格安SIMはあくまでも回線を借用してサービスを提供している立場

もし総務省の対策が実行され、格安SIMと携帯電話会社での通信速度に差がなくなったとします。

そうなった時に、次の2つのことが考えられます。

一つは、今のような低価格で格安SIMサービスが提供できなくなる点です。格安SIM事業者は携帯電話サービスを提供するための設備や回線を借用して提供しているため、今の価格で提供が可能です。しかし携帯電話会社が提供している通信速度と同等になってしまった場合、携帯電話会社は圧倒的に不利となります。

そうなった時に、借用料金を携帯電話会社と同額程度にあげてくる可能性があるのです。そうしないと、高い料金を支払って携帯電話会社と契約している人たちとの、差別が生まれてしまうからです。

そしてもう一つは、携帯電話会社が格安SIMの価格帯に料金を引き下げてくる可能性です。どうしても価格帯では負けてしまう携帯電話会社ですが、価格を引き下げたプランを用意するにあたり、今までのサービス全体の見直しを行うことになるかもしれません。

例えば、各携帯電話会社が経営している店舗数を減らす、共同で経営するショップを作るなど、経費を削減する方法を模索することでしょう。そしてもっとも恐れなくてはならないことが、今のようにいつでもどこでも安定してインターネットや通話ができるという保証がなくなる点です。

携帯電話会社が設置した設備のメンテナスにかけるコストや、人件費が削減されてしまうでしょう。また普段は安定して、携帯電話サービスを提供できている状況であっても、地震などの災害発生時には、一切のサービスが停止し使えなくなってしまう可能性も十分にあり得るのです。

携帯電話会社は、災害時に対してもできる限り通話やインターネット接続が利用できるように、回線を複数にも張り巡らせアンテナ基地局には巨大な蓄電池施設を設け、電源供給が切れたとしても、数日は利用できるような環境を整備し守っています。

これらを格安SIM事業のために、破壊されてしまうことは避けなくてはならないはずです。

■両者が歩み寄れるプランが必要

携帯電話会社も格安SIM事業者も、両者がうまく携帯電話事業を進めていく方法はあるのでしょうか。

今のようなデータ通信に関するプランを、データ容量ではなくデータ通信速度で提供すれば良いのではないでしょうか。そうすれば、価格を重視した利用者は通信速度が低速でも、価格が安いプランを選べるし、データ通信速度が速い方がいい利用者にとっては、価格が高くなってしまっても納得のいくプランを選択することができます。

今のようにデータ量であれば、速度の問題が出てきてしまいますが、データ通信速度もデータ量も全てを利用者に委ねてしまえば、総務省が入ってくる隙がなくなるのではないでしょうか。

さらに月額いくら以上の利用者に対しては、ポイントなどの還元率を変えて優遇するようにすれば、その料金でiPhoneやスマートフォンを納得した状況で利用し続けることができるでしょう。すでに実施している契約するプランによって、購入できる機種を限定するとか、限定された機種でなければこのプランは契約できないなどの対策も有効手段かもしれません。

■大きく変動する携帯電話事情

このように携帯電話事業を取り巻く事情は、大きく変わっていきます。これから先、5Gと呼ばれる次の通信規格でのサービスがはじまり、さらに高速で通信できるようになるといわれています。

携帯電話会社がすでに守りに入ってしまい、ここ数年間で基本料金はプランが複雑になったため多少変動があったかもしれませんが、大きな変化はなく毎月7,000円以上と高額な状況が続いていました。そこを打ち壊すための格安SIMは、その一部を破壊することに成功しましたが、今の料金体系を完全に崩すことはできませんでした。

ですが、総務省を動かし携帯電話事業に対して指導して、できる限りの負担を国民にさせないよう動いているのはわかります。それらの施策は、携帯電話事情を知らない人にとっては理解するのが難しく、結果的に月額料金が安くならないという状況です。

これからもいろいろな施策で、月額料金を下げつつサービス品質をほぼ同等に保つ方法を見つけてもらいたいものですね。

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