インターネットでいろいろなMVNOのことを調べていると、目に入ってくるのがワイモバイルとUQ mobileはMVNOでも通信速度も安定しているとか、基本料金がちょっと高いけど有人店舗もあるのでオススメだという記事です。
そこでなぜワイモバイルとUQ mobile、そして格安SIMを提供している各事業者で違いがあるのか調べてみることにしましょう
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調べてみてわかったこと
ワイモバイルとUQ mobileは、どちらも大手携帯電話会社のグループ傘下であることがわかりました。ワイモバイルはソフトバンク、UQ mobileは運営をしているUQコミュニケーションズがKDDI傘下の企業となります。
格安SIMサービスを提供している事業者のことをMVNOというのですが、これは仮想移動通信体事業者(Mobile Virtual Network Operator)のことで、自前の通信設備やネットワークを持たず携帯電話会社から借用してサービスを提供している事業者のことを指します。
ちなみに携帯電話会社の場合は、移動通信体事業者(Mobile Network Operator)と呼びます。この条件に当てはめて、ワイモバイルとUQ mobileを考えると純粋なMVNOではないことがわかります。
ワイモバイルはMVNOではない?
ワイモバイルは、過去イー・モバイルという携帯電話会社でした。総務省から認可をもらった第4の携帯電話会社としてサービスを開始したのですが、最終的にはソフトバンクに吸収され今はブランド名だけが残っている状況です。
そもそもMNOだったワイモバイルがソフトバンクと吸収合併によって、ワイモバイルという名前だけが残りサービスを提供していますが通信設備やネットワークはソフトバンクのものを使用しています。
これは借用しているのではなく、どちらも自前の回線を利用してサービス提供をしている形になるので、MVNOの定義からは離れてしまいます。イー・モバイルが広げたネットワークはソフトバンクでも利用しているため、お互いに環境をシェアしてサービス提供しているといえますね。
UQ mobileはMVNOではない?
UQ mobileは、UQコミュニケーションズというKDDIグループの会社であることは先に説明した通りです。また同社もワイモバイルのようにMNOとして、WiMAXのサービスを展開している企業でもあります。
ただしUQ mobileで提供している回線はauです。そのためMNOでもあるしMVNOとしてサービスを提供しているちょっと複雑な会社ともいえます。ただKDDIグループの戦略としてMVNOとして優位に立つために、MVNOのような接続数契約などをせずに回線の利用を認めているのではないかと考えられます。
そのためUQ mobileは、auから回線を借用して格安SIMサービスを提供していますが、auはUQコミュニケーションズからWiMAXの回線を借用してサービスを提供しています。
お互いに回線を貸借して有利な部分だけを前面に押し出して、サービス提供をしているため他のMVNO以上に回線品質の高いサービスを提供できているのかもしれませんね。
このようにサービス提供の形が違うため、MVNOとして紹介するのはちょっと違うのではないでしょうか。
比較するときはこの2社を外して比較しよう
同じような形でサービス提供しているMVNOは、他にはありません。ですが、楽天モバイルがMNOでのサービス提供をできる認可が下りたことは、ニュース等でご存知かと思います。
そうなると楽天モバイルは格安SIMを提供しているMVNOとしてみるのではなく、携帯電話会社として見なくてはなりません。この扱いはどうなるかわかりませんが、LINE mobileはソフトバンクグループと戦略的業務提携を結びました。
今後どのような形でサービス提供を展開していくのかは、今のところわかっていませんがMVNOとしてそのままサービス提供をつづけるようなことをソフトバンクCEO宮内氏は語っています。どちらにせよ新しいサービスが生まれ、業界全体が活気つくのは嬉しい限りですね。
同列で比較しないで、よい格安SIMサービスを見つけよう
ワイモバイルとUQ mobileをMVNOとして比較対象にするのではなく、外した形でMVNO比較をするようにしましょう。
インターネットでは通信速度の計測結果が掲載されていて、それをみるとワイモバイルにしようかそれともUQ mobileにしようかなって思ってしまうと思います。ここで比較してしまうとMVNOに勝ち目はありません。
そうではなくIIJ mioやmineo、NifMoなどMVNO同士でどこが良いか比較しましょう。そうしないと、格安SIMサービス自体がなくなってしまう恐れがあります。
LINE mobileや楽天モバイルのように、スタートはMVNOでも結果的に強力な体力を身につけたことになります。そのような体力がないMVNOは、次々と淘汰されていくでしょう。
実際に2017年はぷららモバイルやFREETEL(楽天モバイルへ売却)がサービスを終了しています。また苦戦しているMVNOも多く、ユーザ数200万を超えているIIJ mioも次なるサービスを用意して、今夏に提供する予定と発表しています。
このように、次なる進化を進めていかないと、MVNOは非常に脆く倒れやすいサービスとなっているのです。2018年はサービス終了といった声は聞こえてきませんが、いつサービスを終了するのかわからないMVNOも多く存在すると思います。
もし乗り換えを検討されている方はできるだけ有名な格安SIMにするか、UQ mobileなどの携帯電話会社から比べると比較的に安価で利用できるサブブランドと呼ばれるサービスを利用しても良いかもしれませんね。