格安SIMサービスを提供しているBIGLOBEで、BlackBerry KEY2の取り扱いが決まった矢先、KEY2の機能を一部除いた廉価版「BlackBerry KEY2 LE」を国内のSIMフリー市場に投入すると、正規販売代理店であるFOX.incが公表しました。
気になるBlackBerry KEY2との違いを確認し、どちらを購入すればよいか、いっしょに考えてみましょう。
■BlackBerry KEY2 LEのスペック
KEY2 LEのスペックですが、まず特筆すべき点は「カラー」です。発売されるカラーはSlate(ブルー)、Champagne(ゴールド)、さらにAtomic(レッド)と、上位モデルにはないカラーリングがラインナップとなっています。
他のスペックについても細かく確認してみましょう。
- CPUや搭載されているRAMやROM
搭載されているRAMが4GB、ROMが64GB、CPUがSnapdragon636となっています。このCPUはSnapdragon660を搭載しているKEY2よりは多少スペックが落ちますが、ミドルレンジのスマートフォンとしては十分な性能を持っているため、普通に利用する上で困ることはないでしょう。
ROMの容量も少ないなと感じたら最大256GBまでのSDXCが利用できるので、価格が安くなってきている64GBや128GBのサイズを用意すれば、容量不足に悩むこともなくなります。
- カメラ
搭載されているカメラ性能ですが、リアに搭載されたデュアルレンズのカメラは1,300万画素と500万画素、フロントカメラは800万画素となっています。この性能ならリアカメラでポートレート撮影やフロントカメラでのセルフィーも、満足できる一枚を残すことができますね。
リアカメラはちゃんとフラッシュも搭載しているので、暗い場所での撮影も安心です。ただ他のスマートフォンのようにAIが撮影補助する機能などは、残念ながらBlackBerryシリーズには搭載されていないので、カメラ性能をもっと重視したいと考えている人にはあまりおすすめできないかもしれません。
- キーボードに搭載された指紋センサー
BlackBerryは以前から「セキュリティ」に強いモデルとして、高い評判を得ているスマートフォンでした。
Android OSを搭載する以前のBlackBerryの場合、BlackBerry専用のインターネット回線が用意されていたぐらいです。今ではOSとBlackBerry社が開発したアプリで、その頃以上のセキュアな状態でインターネットやメールなどを扱えるように進化しています。
- 利用できるキャリア
スマートフォンとなれば利用できる携帯電話会社が気になると思いますが、KEY2 LEも廉価版とはいえ全キャリアに対応したモデルとなっています。
これなら格安SIM事業者を選ぶとき、au回線のSIMカードはKEY2 LEが対応していないからここは契約ができないとか考える必要がなくなります。
しかもデータ通信を高速で利用するためのキャリアアグリゲーションに対応し、通信速度はキャリアによって変わりますが下り最大で150Mbpsもの高速通信が利用可能となっています。
しかもデュアル・SIM・デュアル・スタンバイ対応モデルとなっているので、仕事用とプライベート用の電話番号を2つ持つことも可能です。携帯電話会社と格安SIM事業者とで、利用方法を分けた使い方もいいかもしれませんね。
- 搭載されているOSはAndroid OS8.1
BlackBerryが使いやすいスマートフォンに生まれ変わって国内に再登場できた理由の一つに、搭載しているOSをBlackBerry OSからAndroid OSに変更したからではないかと考えています。BlackBerry OSを搭載しているスマートフォンは今でも発売していますが、ここ最近のモデルではAndroid向けにリリースされているアプリも動作できるような「互換性」を持たせています。
やはりスマートフォンが利用され続ける要因に「アプリ数」は大きく関与しているんですね。
- 気になる価格
これだけのスペックと誰も使っていないようなハードウェアキーボードを搭載した、いっけん変わったスマートフォンをちょっと使いたくなったとしても、一番気になるのが価格ではないでしょうか。
KEY2はブラックモデルが89,800円(税込)で、デュアルSIMのシルバーモデルは79,800円となっています。そして4月19日に発売となるKEY2 LEについては59,800円(税込み)となっています。
■BlackBerry KEY2とKEY2 LEの違い
KEY2とKEY2 LEの価格差が20,000(KEY2、シルバーモデルとの差額)〜30,000(KEY2、ブラックモデル音の差額)円の価格差が、単純に搭載されているCPUやRAMとROMサイズからきているとは思えません。
実はKEY2とKEY2 LEで、大きく違う点があります。
それはキーボードにタッチセンサーが搭載されていない点です。KEY2はカーソルや画面のスクロールなど、ディスプレイを触らなくてもキーボード部分をなぞるだけでカーソルの移動やスクロールができるタッチセンサーが搭載されています。
この機能がKEY2 LEには搭載されていません。でもこの機能、実は誤操作を起こすことが多く、実際に私も機能をオフにして利用しているため、あまり大きな違いと言えないかもしれませんね。
- 他のスマートフォンとの違い
そしてもう一つ気になるのが「他のスマートフォンとの違い」です。
KEY2やKEY2 LEは、海外製のスマートフォンであるためグローバル市場向けの仕様になっています。だから国内で求められている防水やNFCを利用した非接触式ICカード機能、ワンセグやフルセグといった機能はいっさい搭載されていません。
ただ最近流行っているPayPayやLINE PayなどのQRコード読み取り式の決済手段は、NFCのようなハードウェアがなくても利用できるので、BlackBerryの欠点を補ってくれています。
■こんな使い方がオススメ
このハードウェアキーボードを搭載したBlackBerryは、ソフトウェアキーボードになかなか慣れない人や嫌いな人、仕事の上で誤字脱字が許されない人にオススメです。
ハードウェアキーボードの大きなメリットは入力した感覚がわかるので、しっかり入力できていることがわかります。慣れてくるとタッチタイピングもできるようになるし、かなりの長文を入力するのも簡単にできるようになってきます。
そうなると自分のブロクを更新したり、メールやメッセージ、Twitterなどに利用したりするスマートフォンになり、最後はフルディスプレイスマートフォンより利用頻度が高くなってしまうでしょう。
特にビジネスで常にドキュメントを作成している人にとっては、外出先や移動中に膝でノートパソコンを広げて作成したり、どこかのカフェに立ち寄って作業をしたりする必要がなくなります。移動中も立ったままで気軽にドキュメントの作成ができるし、カフェによって作業をしていたとしても、パソコンのように通信環境を別途用意したりバッテリーの残量を気にしながら作業をしたりする必要もありません。KEY2 LEで作成の作業が終わったらクラウド上に保存するといったことを繰り返せばいいのです。
そしてオフィスについたら編集したファイルをダウンロードして、ファイルをWORDに変換、体裁を整えてから提出すればいいのです。
こうして隙間時間を利用して一つの仕事を早く終わらせることで、重要な仕事に取り掛かれる時間を作ることができるのです。
なぜこのような具体的な利用方法を提案できるのか、その理由は簡単で私が実際にKEY2を利用しているからです。
だからこそ自信をもってKEY2及びKEY2 LEをオススメできるのです。ぜひ一度、その手で実機を触って入力のしやすさをたしかめてみてください。あなたはハードウェアキーボードの魅力の虜になるでしょう。