Wi-Fi

外出先でインターネットをする場合、最適な方法はどれかいろいろ調べてみた

 

ビジネスマンでも学生さんでも、パソコンやタブレットとインターネットに接続できる環境さえあれば、どんな場所でも仕事や調べ物をすることができますよね。そこで改めて新規に通信サービスを契約するとした場合、どのサービスならコスト面やパフォーマンスも含めて、使い勝手が良いのかちょっと調べてみようと思います。

■公衆無線LANサービスを利用する

いきなり耳慣れないサービス名を挙げてきましたが、実はスマートフォンがここまで普及する以前から公衆無線LANサービスを提供する事業者がありました。ただ利用できる場所が限られており、首都圏の主要路線の駅構内でしか提供おらず、サービス開始から3年程度でそのサービスを終了してしました。

そんな公衆無線LANサービスですが、今ではファミレスやカフェなどでサービスを提供するようになりました。中には完全無料でサービスを提供しているFREESPOTなど、利用する際に事前登録だけを済ませておけば利用できるものから、毎月300円から500円程度で利用できるサービスまで自分の都合に合わせたサービスを選べるまでになったのです。

公衆無線LANサービスの魅力は、なんといっても月額利用料金ではないでしょうか。自分の行動する範囲のなかで利用できる場所があって、電源まで確保できるようであれば利用しないのはもったいないです。

そんな公衆無線LANのオススメ度は?

コスト:★★★★☆
エリア:★☆☆☆☆
便利度: ★★☆☆☆
と、いったところではないでしょうか。

あくまでもコストパフォーマンスを重視するのであれば、間違いなく公衆無線LANサービスになるのですが、行動範囲の中に提供している場所があるかによって変わってくると思います。ファミレスなども長い時間の席確保を嫌がる店舗も多いため、作業に没頭することができず結局移動中でもできるような仕組みを考えてしまうかもしれません。

ただ最近では鉄道やバス、コンビニエンスストアやデパートの中でも無線LANサービスを提供している場所があったり、インターネットカフェや漫画喫茶などで同様のサービスを提供しているところもあります。

そう考えると無理にスマートフォンでテザリングをしなくても、場所によってはインターネットを利用することができるということになります。

■ポケットWi-Fiを利用する

外出先でインターネットする場合、多くの人が利用されているのがポケットWi-Fiではないでしょうか。そしてポケットWi-FiとしてモバイルWi-Fiルータを発売し、サービス提供をしているのはワイモバイルとUQ WiMAXの2社になりますが、ちょっと注意しなければならない特徴があります。

WiMAXの注意点

WiMAXは非常に高い周波数帯域を利用しています。

よくインターネットサイトで「WiMAXの周波数」のことを調べると、基地局からWiMAXルータまでの話ではなく無線LANで利用されている2.4GHzと5GHzの話をしているサイトもあるで、そちらも注意が必要です。ここでいっている周波数帯域は前者の「基地局 → WiMAXルータ」のことで、ここで利用されている周波数帯域は2.5GHzとなっています。

携帯電話はプラチナバンドと呼ばれる700MHz~900MHzを利用しています。それから比べても数倍高い周波数帯域となります。でもこの高い周波数が通信に影響を与えなければ、特に問題視することはないのですが周波数は次のような特徴を持っています。

「低い周波数は“障害になるものを避ける”が、高い周波数は“障害に当たると反射”してしまう」からです。携帯電話を利用している時、「こんなところまで、電波が届く」と建物の奥に入った時に思ったことはありませんか。携帯電話のプラチナバンド帯域は、まさにこのように障害物を回避して奥まで届くような性質をもっているからです。

しかしWiMAXの場合、持っている人はわかると思いますがちょっと建物の奥まで入ってしまうと、電波が届かず圏外となってしまいます。窓際ギリギリの場所にWiMAX用のルータを設置しておけば、かろうじて電波を拾いデータ通信が利用できたとしても、部屋の中央に移動するとすぐに圏外となってしまいデータ通信ができなくなってしまうでしょう。

この弱点を補うために、WiMAXでは別料金がかかってしまいますが、auの電波が利用できるオプションを提供しています。これを利用すれば、今までWiMAXでは圏外となってしまう場所でも、データ通信を利用することができるようになります。特に地下街などWiMAXの電波が届かず、利用できなかった場所でもauの電波を利用したデータ通信に切り替えれば、地下街でも快適に通信が可能になります。

一見、すごく良さそうな話に聞こえますが、auの電波を利用した通信をおこなった場合、一月のデータ使用容量の制限が発生します。WiMAXのデータ通信量は上限が設けられていないため、実質通信し放題となりますが、auの電波を利用した場合は“7GHz/月”の制限が設けられてしまうのです。

もちろん制限容量を使い切ってしまうと、通信速度が著しく遅くなってします。しかもauの通信だけペナルティを受けてしまうと思ってしまいますが、WiMAXの方にもペナルティが課せられ、月末になるまでどちらも速度制限がかかった状態となってしまいます。

これではまったく使い物にならなくなってしまいますね。WiMAXが発売しているモバイルWi-Fiルータには、データ通信使用量をディスプレイに表示させられるので、auの電波を利用する場合はこまめにチェックしましょう。

WiMAXの詳細はこちら

WiMAXの評価は
コスト:★★☆☆☆
エリア:★★★☆☆
品質:★★★☆☆
といったところですね。

ポケットWi-Fiの注意点

こちらはワイモバイルが発売しているポケットWi-Fiの注意点となります。ワイモバイルが提供しているポケットWi-Fiが利用している電波は、ソフトバンクとワイモバイルの両方を利用しています。

もともとワイモバイルは“イー・モバイル”というMNO(移動体通信事業者)でした。だから自社が持つ通信設備も利用してサービスを提供しています。そして利用している周波数帯域は1.7GHzとWiMAXよりも低めになっているので、建物でもある程度は奥まで届くようになっています。

おそらくWiMAXを利用していた人がポケットWi-Fiに乗り換えると、繋がりやすく感じてしまうかもしれません。

そうなるとポケットWi-Fiは最強のモバイルWi-Fiルータのように聞こえてしまいますが、ポケットWi-Fiに弱点が存在します。それは「ひと月のデータ通信容量制限が基本あるプラン」しかない点です。7GB/月の制限なので、7GB以内に収められればよいのですが、モバイルWi-Fiルータを利用する時は、たいていスマートフォンのようなデータ通信量がそもそも低いものではなく、ノートパソコンのようにデータ通信量に工夫をせずに通信してしまうものなので、あっという間に数GBの通信をしてしまうこともあると思います。(追記:最近ではNEXTmobileという月間30GBたっぷり使えるプランもあるようです。詳細はこちら

 

7GB/月と考えるとモバイルWi-Fiルータの使用用途に応じたプランを、ワイモバイルもUQ WiMAXも用意するべきなのかもしれませんね。でも実はワイモバイルの場合、一部の機種しか利用できないアドバンスモードという通信モードが用意されていて、そのモードに切り替えるとWiMAXのようなデータ通信が実質し放題になります。

イメージとしてはひと月のデータ通信容量を超過した場合、500MBごとに追加でデータ通信容量を購入するのですが、アドバンスモードが利用できる機種になると、自動で500MB使いきるごとにデータ通信容量をプラスしている感じになります。

もちろんオプション料で利用できるので、その都度課金されるようなことはありません。ただアドバンスモードを利用している時は、WiMAXのように高い周波数を利用しているので、電波が入りにくくなります。

ポケットWi-Fiの評価は?
コスト:★★☆☆☆
エリア:★★★★☆
品質:★★★★☆
です。いくら通信し放題でもエリアが狭かったり、環境が整備されていないようでは品質の高いサービスとはいえません。そうなるとモバイルWi-Fiルータ勝負では、ワイモバイルに軍配があがりますね。

まとめると

WiMAXとポケットWi-Fiですが、本当に一長一短あるサービスで自分がどのような場所で、どのように利用するのかをしっかり決めておかないと、使いにくいサービスとなってしまうでしょう。この両者のいいところを取ったサービスが登場すると、利用する側としては嬉しいことなのですが、そのようなサービスは今のところ生まれていません。

さらに両者が提供している通信サービスですが、毎月かかる基本料金も5,000円近くになってしまうため、決してコストパフォーマンスも良いとはいえないでしょう。このコスト面での判断するのが難しいモバイルWi-Fiルータですが、まず契約する前にWiMAXが提供している「TRY WiMAX」を利用されてみてはいかがでしょうか。

WiMAX機器を15日間だけレンタルできるので、自分の行動範囲でWiMAXサービスが利用できる場所をチェックすることができます。そして問題なく利用できるのであればWiMAXを契約、チェックする期間中に圏外になるエリアや、自分がよく利用する場所ではWiMAXが利用できないなど不都合がある場合は、WiMAXは諦めてワイモバイルが提供するポケットWi-Fiを契約しても良いかもしれません。

WiMAXの詳細はこちら

■実はこんな伏兵が!ソフトバンクを利用する

ポケットWi-FiとWiMAXのいいとこ取りの通信ができればと思っていましたが、実はソフトバンクならそれに近いサービスを受けることができるかもしれません。ソフトバンクでは、ポケットWi-Fiとは違ったモバイルWi-Fiルータも取り扱っています。しかもこのモバイルWi-Fiルータの契約時に、データシェアプランを適用することができるのです。

データシェアプランは、通常タブレット端末などを購入する際に、そのまま契約してしまうと7GB/月のデータ通信プランとなり、月額使用量も高くなってしまうのですが、すでにソフトバンクでiPhoneやスマートフォンを契約している場合はiPhoneを親回線、次に契約したタブレットを子回線として契約することで基本料金を下げて、iPhoneやスマートフォンのデータ通信容量をシェアします。

そのままではiPhoneのデータ通信容量が心配になってしまうので、データ通信容量の50GBプランを契約しておけばiPhoneでも十分に利用できるし、ポケットWi-Fi以上のデータ通信容量を持つのですぐに制限を受けてしまうようなことはないでしょう。

またルータなどの新規契約をせずに、オプションでテザリングを契約しデータ通信容量を50GBのプランにかえておけば、モバイルWi-Fiルータを管理しなくてもパソコンでインターネットができるようになります。ただテザリングですが、iPhoneのバッテリー消耗が早くなるのでモバイルバッテリーで充電しながら利用するか、コンセントが取れる場所であれば電源を供給しながら利用した方が良いかもしれません。

■データ通信だけの契約で格安SIMを利用する

スマートフォンにはSIMフリーモデルがあり、家電量販店などで購入することができるようになりましたが、SIMフリーのWi-Fiルータはなかなかお目にかかれないデバイスだったりします。SIMフリーのモバイルWi-Fiルータも発売されていて、ネットなどでは手軽に購入できるので格安SIMと組み合わせて利用することで、コストを抑えつつデータ通信を利用することができます。

格安SIMでデータ通信だけを契約することで、毎月かかる基本料金は今まで調査してきたWiMAXやソフトバンクと比べられないぐらい安く利用することができます。

ですが格安SIMには恐ろしい混雑ピーク時の速度低下問題があります。おそらくモバイルWi-Fiルータをしようした場合でも、同じように速度低下問題は受けてしまうでしょう。その点を考えると、UQモバイルを利用するのが、一番良いかもしれません。通信速度低下問題も受けないし、データ通信だけのプランも提供されているし、auのエリアなので十分利用はカバーできているでしょう。

ただSIMフリーのモバイルWi-Fiルータの対応しているモデルを見つけるのが、ちょっと大変かもしれません。それはauの4G LTEしか利用できないからです。そのためSIMフリースマートフォンでもドコモとソフトバンクは利用できても、auは使えないことが多いようです。

だからauの4G LTEが利用できるSIMフリーのモバイルWi-Fiルータを探しましょう。もしどうしても見つからなければ、データ通信品質で話題になっているLINEモバイル(ソフトバンク回線)を契約しても良いかもしれません。通信品質もかなり高く、UQモバイルやワイモバイルと同じように通信速度も昼間に下がることもなく、安定して利用できるみたいなので選択肢としてはありだと思います。

SIMフリーのモバイルWi-Fiルータを利用した場合
コスト:★★☆☆☆
エリア:★★★★☆
品質:★★★☆☆
と、評価しました。

格安SIMは、品質の高いところを利用するのであれば問題はないのですが、価格だけを見てサービス品質の低いところを選んでしまうと、利用したい時間帯にインターネットに接続できないという事態になってしまいます。それでは困ってしまいますので、通信速度を計測して公開しているサイトでチェックしてから契約するようにしましょう。

■いったいどれが良いのでしょうか

いろいろ外出先でインターネットをする方法を検討してみましたが、どれも一長一短あって悩んでしまいます。その中でも、自分の使い方に一番あっているものが必ずあるはずです。まず複数台のデバイスを持ち歩きたくなかったり、モバイルバッテリーならいつも持ち歩いているので充電は問題ないということであれば、テザリングサービスを利用してもいいかもしれませんね。

またWiMAXはキャッシュバックキャンペーンを提供しているところもあるので、キャンペーン狙いで契約してもいいでしょう。

詳細はこちら

ただ通信速度で契約をするのだけは、ちょっと控えるようにしましょう。そのモバイルWi-Fiルータの能力を比較するのは良いのですが、表記されている数値はあくまでもベストエフォートで最適な環境で計測した場合に、でてくるだろうといわれている数値です。だから実際にその速度を叩き出すことはできません。

通信速度はすべてベストエフォートで、iPhoneも格安SIMも、公衆無線LANサービスも同じです。だからあくまでも速度表示は、鵜呑みにしないようにしましょう。

これからノートパソコンを購入される方は、SIMスロットを搭載したモデルも発売されています。そうすれば、持ち運ぶデバイスを少なくできるし、バッテリーもノートパソコンのバッテリーを使うのでちょっと連続利用時間は多少減ってしまうかもしれませんが、ノートパソコンだけでインターネットに接続して場所を気にせず作業ができるのは作業が捗りそうですね。