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2019年は格安SIMも携帯電話会社も激動の年になる予感

 

もうすぐ2018年も終わり2019年を迎えようとしています。2018年も携帯電話会社を中心に様々なことが起こりました。そんな1年を振り返って2019年はいったいどんな年になるのかを、ちょっと予想してみましょう。

2018年は格安SIM急成長の年

2018年はなんといっても格安SIM業界が急成長を遂げた年と言えるのではないでしょうか。LINEモバイルはSoftbankと戦力的提携を結ぶことで、Softbankグループの傘下に加わることになりました。

そしてLINEモバイルからSoftbank回線を利用した格安SIMサービスの提供を開始、サービス当初はワイモバイルやUQモバイルに並ぶ通信速度を叩きだし、格安SIMでもここまで速度が出せるということを世間に見せつけたのです。また強力なバックがついたおかげで、他の格安SIM事業者とは比較にならない様々なキャンペーンを展開しています。

12月24日の時点では、どのプランでも3ヶ月間だけ1,390円引きとなるキャンペーンを展開中で、通話SIMを契約するLINEフリープランなら1,200円が300円で利用できてしまうのです。ただし通話プランに限定されているので注意して契約するようにしましょう。

他にも新しいサービスに挑戦したIIJ mioも注目すべき格安SIM事業者といえます。

IIJ mioが提供を始めたフルMVNOというサービスは、今までの格安SIMとは一線を画するサービスとなっています。今までの格安SIMサービスは、SIMカードやアンテナ設備など携帯電話サービスを提供するために必要なものをすべて携帯電話会社から借用していました。

しかしフルMVNOでは、ユーザ管理やSIMカードの発行など一部の管理を携帯電話会社ではなくIIJが行うため、スマートフォンに表示される会社名がdocomoやauではなくIIJとなり、SIMカードやeSIMなどの発行ができるようになります。

フルMVNOはIoT向けに特化したサービスになっているので、利用しない期間は停波させて必要な時期に復帰させるといった利用方法もできるようになります。このフルMVNOがサービス内容の飽和している格安SIM事業者に大きな変化を与える一石となるかもしれませんね。

格安SIM事業者の中でも財政力のある楽天モバイルは、2019年10月を目処に携帯電話事業にシフトします。今後は携帯電話会社から回線などを借用せずに携帯電話サービスを提供していくため、アンテナ基地局などを自前で設置、管理をしていく必要があるのです。

この楽天モバイルの携帯電話事業への参画は、当初ドコモの回線とのローミングを目論んでいたようですが、ドコモがこれを拒否してしまったため急遽KDDIに乗り換え、楽天市場などで培ってきたECのノウハウを提供するかわりにau回線とローミングさせて欲しいという願いを出し、KDDIもそれを快諾したようです。

こうして楽天モバイルはKDDIの力を借りながら、携帯電話事業を展開することになりました。そして10年間をかけてサービスに必要な設備を整備し、楽天モバイルだけで全国でサービスを展開するようになるといわれています。2019年には新しい携帯電話会社ができることになるため、料金プランなどに大きな変化を与える可能性が出てきますね。

2018年携帯電話会社は混乱の年

次に携帯電話会社ですが、ある一人の官僚の発言で大きな混乱を招く年となってしまいました。菅官房長官の「携帯電話会社は4割安くできる」という発言が、今まで当たり前のように提供していたスマートフォンの本体代から料金を割り引く一体プランを取りやめる方向に向かわせてしまいました。

おそらく近々、監督省庁である総務省は電波事業法を改定して48回払い(4年縛り)での購入をできなくさせた上で、分離プランを基本とするガイドラインが実施されると思われます。そうなるとスマートフォン本体からの割引がなくなり、携帯電話会社から提供されている各プランが安くなるというのです。

しかし現時点で提供されているプランの多くは、期間限定のキャンペーンで1年間だけ1,000円引きといった提供方法が採用されているので、結果的には値上げとなってしまうでしょう。スマートフォン代の負担とプランの割引がなくなれば、そう簡単に高額なハイエンドモデルのスマートフォンを買い換えることは難しくなっていくでしょう。

2019年は売れないスマートフォンに拍車をかけるように、売れなくなってしまう事態がやってきそうです。特2017年から10万円を超え始めたiPhoneシリーズは、2018年で携帯電話会社が取り扱うモデルのほぼすべてで10万円を超えています。このような高額なモデルも携帯電話会社の割引サービスがあと押してくれたからこそ購入できていたわけで、全額負担となった場合はさらにスマートフォンが売れなくなってしまう事態を招きかねないでしょう。

携帯電話会社の混乱の原因は他にもあって、売れ筋商品だったiPhoneが売れていないという事態から、かなり焦っているように見受けられます。2018年に発売されたiPhone XS/XS Max/XRは、10万円を切る価格のモデルがiPhone XRの64GBだけとなっています。その他のモデルについてはすべて10万円を超えていて、iPhone XS Maxの512GBモデルではApple Storeで164,800円、Softbankなどの携帯電話会社では最高で192,960円と20万円の大台に手がかかっています。

このように高額なスマートフォンを気軽に購入できなくなるのが、分離プランの特徴ともいえます。

このiPhoneの価格が世界的に問題になっているようなニュースが、インターネットを駆け回っています。当初は著名なアナリストが「iPhone XRはかなり売れる」といわれていました。ですが結果的には売れていない状況となっていたようで、iPhone XRの予約解禁になった後も予約で発売日当日分が売れきれてしまうという状況にはなりませんでした。

家電量販店でもなかなか売れ行きが良くないせいか、旧モデルであるiPhone XやiPhone8などにキャッシュバックをつけて投げ売りをする状況となっていました。2019年は携帯電話会社が分離プランになることが総務省から義務付けられた場合、iPhoneの売れ行きが不安になってしまうかもしれません。

さらに売れなくなってしまうiPhoneをどうやって売るのか、携帯電話会社の大きな目標となるかもしれないですね。

WiMAXのサービスが終了になる

UQ WiMAXからはデータ通信し放題で提供している下り最大13.3MbpsのWiMAXサービスが、2020年3月末を持ってサービス終了となることが公式発表されました。すでに2018年10月には新規受付を終了して、今でも利用している人をWiMAX2+へ機種変更するキャンペーンを行っています。

現在提供しているWiMAX2+は通信し放題ではありますが、3日間で10GBを超えてしまうと速度制限がかかってしまいます。そのため使い放題といい切るのは難しいかもしれません。ただ制限も限定的で18~2時までの間で、通信速度は1Mbpsまで抑えられてしまいますがYouTubeの標準画質なら、再生できるぐらいの通信速度は確保しているので気にならないと思います。

WiMAXサービスが終了したあとは、既存のWiMAX2+のサービス拡充を図るようです。また携帯電話会社がはじめる5Gサービスに対抗するための、新たな通信速度サービスの提供を用意しているのかもしれませんね。

2019年も追いかけ続けます

2019年はいよいよ次期通信規格である5Gや、早い時期にドコモからついにモバイル環境で1Gbpsを超えるサービスの提供が始まります。

いろいろなことに変化がある年になりそうですが、携帯電話会社や格安SIM事業者の動向から目を離さずに新しいサービスや、今までのサービスがどのように変わっていくのかをしっかり追いかけていきましょう。